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2016-09-26

創業融資の【自己資金】の意味と重要性

「びっくりする程ちっぽけなカバンひとつで5月の雨の日、僕は東京の街におりた」と歌ったのは槇原敬之の「三人」ですが、

ビジネスには資金が必要

最近は少ない資金ではじめられるビジネスモデルも増えてきました。
「金なし・コネなし・実績なしから年商◯億円!!」みたいな怪しいのもチラホラ。
しかし、現実問題、ビジネスをはじめるにはやはり元手(資金)が必要です。
特に、創業融資を受けるなら「自己資金」が重要です。

自己資金とは?

創業融資において自己資金とは、

事業のために創業者自ら準備してきた返済不要の資金で、
預金口座上で確認できる預貯金

のことを言います。

創業融資における自己資金の重要性

なぜ、自己資金が重要なのでしょうか?
既に起業から数年経っている会社であれば決算書があります。複数回決算を終えている会社の運転資金の融資の場合、決算書の年商規模から、およその借入可能額が分かります(月商の1〜2倍が目安)。
一方、創業時には決算書がありません。
ですので、金融機関は事業計画の裏付けのひとつとして、起業に向けてどのように創業者自ら資金的な準備(=自己資金の蓄積)をしてきたのかを重要視します。その際、自己資金の金額だけでなく、内容や蓄積の過程もチェックします。

これは自己資金と言えるの?

繰り返しになりますが、創業融資における自己資金とは「事業のために創業者自ら準備してきた返済不要の資金で、預金口座上で確認できる預貯金」のこと。その定義をもう少し細かく説明します。

事業のために自ら準備

他人の出資による資本金が500万円、自分で準備してきた資金は0円という場合、出資は返済の義務がありません。しかし、自ら準備した資金ではないと自己資金としては0という評価になる可能性があります。

返済不要

借りてきたお金は返済義務が伴いますので、自己資金にはなりません。
親からの返済不要の支援金は自己資金の一部と評価されるケースもあります。親から借りたということだとしても「期限・利息なしのあるとき払い」のような形であれば、自己資金の一部と評価されるケースもあります。
しかし、自分で準備してきた資金が0円で支援金のみということになれば、マイナス評価は免れません。

預金口座上で確認できるもの

公庫の融資では、代表者の通帳の確認があります。
通帳上で確認できない現金による貯蓄、いわゆるタンス預金は自己資金として評価されません。
現金には足跡がないため、お金の出処がわからないからです。
疑わしきは貸さずです。

自己資金=資本金ではない。

会社設立にあたり現物出資をするケースがあります。たとえば土地・建物、車など。
しかし、それは「資金」ではないので創業融資における自己資金と評価されるかというと難しいですが、(※1)もちろん、それらを売却して現金化するのであれば、自己資金となり得ます。

他人の出資によって資本金を積むケースもあります。しかし、他人の出資は創業融資における自己資金にはなりません。創業者自らが出資している資本金の割合が少ない場合、「多くの出資が集まっている」という見方もできますが、創業融資においては「他人資本に依存している」と評価され、プラスに作用しないこともあります。

※1 余剰資産や既存設備として、プラス評価にはなり得ます。

預金以外で自己資金になりえるもの

生命保険の解約返戻金や金・プラチナ、上場株などすぐに現金化可能な資産は、自己資金として評価されます。少なくとも資産背景的にはプラスに評価されるはずです。

領収書が自己資金になることも

半年以内に、当該事業のために支出した経費の領収書があると、手元に預貯金がなくても、その領収書の金額を自己資金として評価してもらえることもあります。

自己資金はどのくらいあればいいのか?

自己資金と借入可能額は密接な関係にあります。

創業融資における自己資金要件

そもそも自己資金がないと借入可能額が限られてきます。いわゆる「自己資金要件」です。
たとえば、日本政策金融公庫の新創業融資においては「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金」が必要とされています。自己資金の9倍までしか借りることができない、ということになります。制度融資の場合でも、「自己資金に 1,000 万円を加えた額の範囲内」までしか借りることができない、となっています。

  • 創業融資はどれがいい?創業融資の比較表を作ってみました。

自己資金要件はあくまでも申込要件

新創業融資の場合、創業する事業と同じ業種で6年以上働いてきた等、一定の条件を満たせば自己資金要件が外せます。申込要件としての自己資金要件は創業融資全体的に緩和の傾向にあります。
しかし、これはあくまでも申込要件。融資の現場における審査要件は別。
申込はできても、審査においては、自己資金がなければ厳しいです。たとえば、実務上、新創業融資の一般的な借入総額は自己資金の2〜3倍程度が目安です。

言い換えると

  • 600万円の調達を希望する場合、200〜300万円の自己資金が必要
  • 1,000万円の調達を希望する場合、300〜500万円の自己資金が必要

ということになります。

自己資金要件のない融資制度もある

自己資金はないとダメです。
自己資金は最も資本コストのかからない資金調達です。
しかし、経営力強化資金創業サポート事業など、自己資金要件のない融資制度もあります。経営力強化資金であれば、新創業融資よりは事業性を評価してもらい、自己資金の不足をカバーできたケースもあります。

自己資金に不安がある方もご相談ください。

このブログを書いているのは

創業サポーター・行政書士
若林哲平

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